医学から文学へ
魯迅の小説集『吶喊(とっかん)』(1921年)の自序によれば、医学生・周樹人が文学の道を志すきっかけとなったのは、仙台医学専門学校二年生のとき授業で見た日露戦争に関する幻灯(げんとう)写真のなかの、中国民衆の姿であったという。この話は小説「藤野先生」においても語られ、よく知られるところとなっている。そこには文芸作品としてのある種の創作が含まれていると思われるが、戦争に関する幻灯が学校で上映されたことじたいは、現在残されている資料からも確認できる。
魯迅の小説集『吶喊(とっかん)』(1921年)の自序によれば、医学生・周樹人が文学の道を志すきっかけとなったのは、仙台医学専門学校二年生のとき授業で見た日露戦争に関する幻灯(げんとう)写真のなかの、中国民衆の姿であったという。この話は小説「藤野先生」においても語られ、よく知られるところとなっている。そこには文芸作品としてのある種の創作が含まれていると思われるが、戦争に関する幻灯が学校で上映されたことじたいは、現在残されている資料からも確認できる。